グランスクエア大口 コンセプト
自己紹介
「まずはじめに、ご自身と佐久間建築事務所についてご紹介をお願い致します。」
「佐久間建築事務所の佐久間と申します。建築の設計を仕事にしていまして、特に住まいに関わるプロジェクトが多く、小さいものですと、戸建ての住宅、マンションは5室入ったぐらいの小さなものから、今回のプロジェクトのような40室みたいなものまで、色々なタイプの住まいを設計させていただいております。人の住む場所以外ですと、ホテルのようなもの、医療系のクリニックのようなもの、お店もやりますし、店舗ビルもやりますし、オフィスのようなものもやります。住まいを作るにあたって、1番大事なのは「気持ちよく暮らすこと」かなと思ってまして、やっぱり格好良いものに住みたいとか、外に対して素敵に見せたいという思いもありますが、やっぱり最終的には住む方が、いかに気持ちよく住めるかということかなとは思います。」
外観と内観のデザインの調和
「外観と内観のデザインについて教えて下さい。」
「例えば、建物に窓を開けようという時に、外から見た形を考えると、そこに窓があった方がいいとか、ない方がいいとか、考えますけれども、やっぱり中に入ってみると、そこからどんな景色が見えるかなとか、ここは見られたくないかなとか、住む人にとっての心地良さということとバッティングするわけですよね、その外観のデザインと、内観のデザインと。そういった時に、やっぱり最終的には中で暮らす人にとって、どうかということを判断する基準にすることが多いですね。それぞれ立地にあった建物になるように考えているような気はいたします。そのエリアにどんな人が住むんだろうかということを考えて、建物のプログラムが決まっていくようなことが多いと思います。1番は立地ですよね。」
駅前建物の設計と地域への影響
「駅前の建物設計において、どのように街への影響を考慮されましたか?」
「駅前のロータリーに面した建物ですから、街の顔に良くも悪くもなってしまうと。なかなかマンション1つ作って街を作ろうなんてことにならないですけど、今回はかなり駅降りた方々が最初に目にする風景の1つになりますので、今までやったプロジェクトの中ではかなり大きな影響を与えているなと思います。当然駅前ですから商業施設としてのニーズが高いわけですので、1階2階を極力大きなと言いますかね、色々なコンテンツが入るような建物としたいですし、一方で住宅の方は、駅前といえど、多少プライバシーにも配慮したいし、必ずしもロータリーから見られたいわけではないですから、そういった意味で今回1階2階を少し大きくして、3階から6階を細く作ってます。実際今模型で見ますとやっぱり1階2階っていうのが歩いてる人からの建物の顔になります。上の住居階はだんだん離れていきます。高いところなので意識が遠くなる。ちょっと、この辺のギャップを作りたくてですね、歩く人にとっては2階建てぐらいの、そんな圧迫感のない建物に見えて欲しいなと思います。その人にとっては当然ね、ロータリーが一望できる好立地なわけですから、そういったものを楽しんでいただけると、ちょっとそういった、両面から、形を考えてるようなところはあります。今回、低層部1階と2階は極力街に開いた建物したいわけですから、ガラスを透明にして中と外が繋がるようにイメージしている、一方で、3階から6階のガラス張りなんですけれども、少し色をつつけたガラスを選んでいます。中から見ると、ある程度解放感があるんですけれども、外から見上げた時には、奥まった奥行きを感じさせるようなイメージしてます。できるだけ住戸の窓が直接ロータリー側から見えてるような状況を避けて、住んでる方にとって、落ち着いた場所になれればなと考えてます。」
自然素材の活用とデザイン
「自然素材を使ったデザインについて、どのようにして都市環境に調和させていますか?」
「この1階2階のガラスを挟み込んでいる柱と言いますかね、実際、杉の四角い柱を4本並べて、2枚2枚、2本2本の間にガラスが挟まってるというような形を取っているんですけれども、できるだけ街に対して柔らかい表情を作りたいなということで、天然の木を使ってガラスを支えていこうと、横から見るとガラスを木で挟むわけです。そうすると、外から見ても木の良さが伝わりますし、インテリアの中から見てもこの木の柱越しに外の景色が見えますので、中からも外からも自然を楽しめるようなデザインになるかなということです。意外とありそうで、ないかもしれません。木造の建物でしたら木の柱にガラスでしょうし、なかなかビルなのに木の柱でガラスを挟んでいくというのはそんなに多くないのかなと。今回、駅近の本当に駅前と言いますか、駅に隣接してるような状況で利便性が高いんですけれども、とはいえある程度以上の住み心地の良さ、広さを求めてらっしゃる方に住んでいただく場所がふさわしいのかなということ考えまして、それなりに、コンパクトながらもですね、1つ1つの設備が、ゆったり設置できるように計画されています。便利だから家にいなくてもいいという考えではなくて、便利なのに、家にいても、1日家にいられると言いますか、ゆったりできるというところを狙っています。ウォークインクローゼットがあったりとかですね、ちょっとした対面キッチンになってたりとか、大きな家でやるような、スペースを小さいながらちょっとずつ生かしてるようなプランをしています。」
立地の魅力と生活の質
「新横浜のような便利な立地でのどかな雰囲気をどのように設計に取り入れていますか?」
「新横浜から3分とか5分ですかね、電車で、すごく立地がいいのに、駅降りると、のどかなんですよね。これはなかなか立地が、アクセスが良いわりに、のどかというギャップが面白いなと思って、先ほど便利だけどゆったり過ごせるっていうのに、繋がってるんだと思うんです。大口の街、便利なんだけど場所としはゆったりしてる、そういったイメージはありますよね。それで、住まいの中も、何かそういうイメージを持って作っているようにしています。お2人で住むのが、カップルの方もいらっしゃるでしょうし、ゆったり目に1人で住んで、お仕事をご自宅でやりながらという方もいらっしゃるでしょうし、それこそ、若い東京、横浜に初めて出てくるような方が、初めて住むような、場所としても面白いでしょうし、特に男性向きとか女性向きっていうこともあまりなくですね、色々な方が住めるように設計できています。立地がいいから必ずしもずっと住むって方だけじゃないですものね。次はこんなとこ住みたいねって思えるような場所になってくれたらいいですよね。
大口の、大口期良かったね、みたいな大口に愛着持っていただけるような、居場所の1つになってくれれば町にとっても、大口、良い街だよねていう雰囲気になるといいですよね。